食べ残しなどの食品だけでなく、段ボールや衣類、あらゆるものを食料にして繁殖するゴキブリにとってゴミ屋敷は格好の住み家です。
ゴミ屋敷の特殊清掃では害虫駆除は必須事項と言えます。駆除したゴキブリで45リットルごみ袋がパンパンになるなど、その規模は普通のご家庭の比ではありません。
本記事では、害虫駆除のプロでもある特殊清掃員がゴキブリを根絶やしにする駆除方法を大公開。ゴミ屋敷化・ゴキブリの発生を防ぐ方法も紹介します。
もくじ
たまたま外から入ってきたゴキブリが我が家で繁殖、住み家とされてしまっては、たまったものではありません。
1匹でも見つけたら、それ以上繁殖させないために確実に駆除することが大切です。
家庭でのゴキブリ退治には、駆除剤を使用している人が多いです。
駆除剤には、主に以下のようなタイプのものがあります。
侵入経路をふさぐ、家を清潔に保つなど、ゴキブリが侵入してこない家づくりも非常に大切です。
窓や玄関など、侵入経路を完全にふさぐことはできませんが、以下のような方法が効果的です。
大量のごみが蓄積しているゴミ屋敷。ゴキブリの温床となっているその様子は、ゴキブリ屋敷と呼んでも過言ではありません。
では、実際のゴミ屋敷ではどういった風に作業を進めているのか、私たち特殊清掃員が行なっているゴキブリ駆除を紹介します。
最初に行うのは、ゴミの撤去です。
ゴキブリが大量に発生しているゴミ屋敷の場合、繁殖の原因は通販サイトを利用した段ボール箱ではありません。
お弁当や飲みかけのジュースなど食べカスが原因になります。
こういった食べ物のゴミをお部屋に溜め込んでしまうと、ゴミ屋敷化が進んでしまいます。
撤去の際には、ゴミの分別も欠かせません。各行政の分別ルールに従って、ゴミを袋に詰めていきます。
たとえば、ペットボトルは中身が入ったままでは捨てることができません。そのため、中身入りのペットボトルは一つ一つ中身を捨てる作業が必要になります。
ゴミの搬出時は、廊下やエレベーターといった共用部を汚してしまわないように、養生をします。
食べカスが多いため、こぼれてシミになってしまったり、臭いが残ったりすることを防ぎます。
ゴミの撤去が完了したら、部屋の掃除・消毒作業を行います。
まず取りかかるのは、壁中いたるところ付着しているゴキブリの糞の始末。
ゴキブリは糞や仲間の死骸の臭いに集まる特性があるため、ゴキブリが付けた汚れを徹底的に取り除きます。
ひどい場合では、壁や石膏ボードの裏などにも広がっている可能性も。
こういった場所もチェックして、繁殖の予備軍を駆除します。
徹底的な根絶やしを行わない限り、ゴキブリだらけのゴミ屋敷の問題は解決しません。
掃除と並行して、壁紙や家財の消毒も行います。棚や食器など、細かいものも一つひとつ丁寧に消毒していきます。
部屋の掃除・消毒をしてもなおゴキブリが発生する場合は、壁を撤去することをもあります。
先述したように、壁や石膏ボードの裏にも卵を植えている可能性は0ではありません。
こういったお部屋ですと、部屋を綺麗にしたからといって、ゴキブリがいなくなるとは限らないのです。
部屋をきれいにしてもゴキブリが駆除できない場合、壁を一回壊して、その裏側にまで潜むゴキブリの卵を除去します。
ゴミ屋敷のゴキブリ駆除は、かなり大掛かりな工事になることもあるのです。
ゴキブリやゴミ屋敷化を防ぐためには、家を清潔に保つことが大切です。
食べカスはもってのほか、髪の毛やホコリでさえもゴキブリにとっては好物になりえます。
食べカスをその都度捨てる、飲みかけのジュースを放置しないといったことを心がけるだけで、かなり抑制することができます。
定期的に部屋の掃除をすることも大切ですが、忙しくて時間がとれないという方も少なくありません。
そういった方は、せめてこまめにゴミを捨てる習慣を意識することが大切です。
お部屋のゴミ屋敷化は誰にでも起こりうる問題です。
ゴミが散乱してどうしようもない、ゴキブリが大量発生している状態になる前に、業者に依頼することをおすすめします。
基本的にはゴミの撤去(清掃)と消毒でカバーできますが、最悪の場合、壁の撤去が必要な工事になることもあります。
もし壁を全部壊して、一から家を作り直すとなると数百万円の出費がかかります。
「もっと早く対応すれば良かった…」と後悔しないよう、ゴキブリに困ったときは早い段階で業者に頼みましょう。
部屋の広さや程度にもよりますが、ゴミ屋敷の清掃費用の目安は以下になります。
リフォーム代が数百万かかることを考えると、早い段階で手を打つことで、出費を安く抑えられます。
ゴミ屋敷のゴキブリ駆除の規模は想像を絶するものがあります。
記事を読んだだけでぞっとしたという方もいらっしゃるかもしれません。
我々、特殊清掃員がご依頼いただくゴミ屋敷の清掃では、ゴキブリの駆除は必須事項ともいえる作業です。
ゴミ屋敷を防ぐためには、ごみを溜めない習慣をつけましょう。
わが家は、もうゴミ屋敷かもという方は、迷わず業者を頼ってください。
後回しにすると、家の状況はひどくなっていくばかりです。
気づいたときが、事態を最小限にとどめられる最善地点です。