高齢者の家がゴミ屋敷化する原因と予防法

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高齢者の家がゴミ屋敷化する原因と予防法

ゴミ屋敷になるのは高齢者が多いって言うけど、
うちの親は昔から整理整頓が好きなのでゴミ屋敷なんてあり得ないです。

いえ、きれい好きな人でも、
高齢になった途端に家がゴミ屋敷になる事例って、実は多いんです。

高齢者の家がゴミ屋敷になる5つの原因

近年、高齢者の家がゴミ屋敷化するケースは多く、ゴミ屋敷は高齢者が直面する問題の1つといえます。

平成25年12月にゴミ屋敷対策の条例を制定した大阪市の調査(平成26年8月末現在)によると、認知されたゴミ屋敷における原因者の年代は以下のとおりでした。

年代件数全体(95件)に占める割合
70歳代~35件37%
60歳代24件25%
40歳代10件11%
50歳代8件8%
~30歳代3件3%
不明15件16%

※「大阪市のいわゆる「ごみ屋敷」の現状について」より作成

ゴミ屋敷の原因者は60歳代以上が全体の62%を占めるという結果です。

調査結果から、ゴミ屋敷問題は高齢者と密接に関わる問題であることがわかります。高齢化が進む現在では、ますます高齢者のゴミ屋敷が身近な問題です。なぜ、高齢者の家がゴミ屋敷になってしまうのでしょうか。

原因1.心身の衰え

誰しも歳をとると、精神や身体能力が衰えるものです。
心身が衰えると、ゴミ出しの日を覚えてゴミを出す、ゴミを分別しゴミ箱に入れるなどといった若かりし頃は当たり前だった行動がとても億劫になり、ゴミ屋敷化してしまうのです。

厚生労働省が策定した「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン」では、加齢に伴いストレスに対する回復力が低下する「フレイル」や、高齢により身体機能が低下する「サルコペニア」の状態になりやすいことが示唆されています。

フレイル・厚生労働省によると「年をとって体や心のはたらき、社会的なつながりが弱くなった状態」
※厚生労働省パンフレット「食べて元気にフレイル予防」より引用
・要介護状態に陥る一歩手前の虚弱状態を指す
サルコペニア・厚生労働省によると「高齢になるに伴い、筋肉の量が減少していく現象」で「立ち上がりや歩行がだんだんと億劫になり、放置すると歩行困難にもなってしまう」
※厚生労働省「e-ヘルスネット」より引用

原因2.認知機能の低下

認知機能が低下すると、目の前のものがゴミなのか、そうではないのかの判断が難しくなります。
ゴミと判断できなければ捨てることもできないため、家はゴミ屋敷化してしまうでしょう。

認知症を発症すればもちろんのこと、認知症と言えないまでも加齢により徐々に認知機能は低下するため注意が必要です。以前と変わらないように見えても、認知機能が低下しゴミと判断する力が弱まった結果、徐々にゴミ屋敷化することがあるのです。

原因3.もったいない精神の高まり

物が潤沢になかった時代を経験した高齢者は、もったいない精神の強い人が多い傾向です。
加齢に伴いもったいないと思う気持ちが強まってしまうと、物が捨てられなくなりゴミ屋敷化することがあります。

例えば、お年寄りが壊れた家具や時計を修理して使う場面や、洋服が破れても繕って着続ける場面を見たことがあるのではないでしょうか。このように、高齢者の「もしかしたらまだ何かに使えるかもしれない」という思いが強くなり過ぎると、家はゴミ屋敷化していきます。

原因4.セルフネグレクト

高齢者がセルフネグレクトに陥っている場合も、家はゴミ屋敷化します。

セルフネグレクトとは、厚生労働省によると「本人自身の基本ニーズ(衛生面、服飾面、食事など)を顧みない行為」を指します。高齢者に多い精神の不調です。

衛生面を顧みなくなる結果、ゴミ捨てや清掃も疎かになりゴミ屋敷化を招きます。セルフネグレクトは、食事や体調不良時の通院も放棄しがちで、最悪の場合、孤独死の危険もあるため注意が必要です。

原因5.他者とのかかわりの希薄化

特に一人暮らしの高齢者は地域から孤立しがちです。

他者との関わりが希薄化するとゴミ屋敷化しやすくなります。他者との交流がないと、ゴミを捨てる際に手助けが必要でも助けを求められない、心身の衰えや認知機能の低下が進んでしまうなどの弊害があります。
自力では捨てられないゴミが溜まっていくと家はゴミ屋敷化してしまいます。

高齢者の家のゴミ屋敷化を防ぐ4つの方法

高齢者の家がゴミ屋敷になる原因がわかったところで、どうすればゴミ屋敷になることを防げるのかみていきましょう。

方法1.ゴミ屋敷のデメリットを理解してもらう

高齢者がゴミを溜め込むことに問題意識を持っていない場合には、ゴミ屋敷がいかにデメリットの多い状態であるかを説明することでゴミ屋敷化を予防できる場合があります。

この方法のポイント

  • ゴミを溜め込んでしまったことを責めない
  • 高齢者が理解できるような平易な言葉で、危険を感じるような具体例を交えて納得するまで優しく説明する
  • ゴミで転んだときや介護サービスを導入するなど、状況に変化があったタイミングで話す

方法2.こまめに訪問や連絡をする

親族や友人など他者との交流の機会が少ない場合には、こまめに訪問・連絡をすることでゴミ屋敷の予防が可能です。

この方法のポイント

  • 交流の際は見放すような言動や否定する言動は厳禁
  • 心配していること、不安なことをストレートに伝える
  • 部屋の片づけを手伝うときは、日常的に使わない場所からおこなう

方法3.地域との交流の機会を増やす

厚生労働省によると、高齢者の社会的孤立は「生きがいの低下」「孤立死」などの一因です。
地域社会とのつながりを活発化させることは、ゴミの溜め込みの改善につながります。

この方法のポイント

  • 無理せず継続的に交流できる社会参加の場を一緒に探す
  • 見守りサービスがある場合は積極的に活用する

方法4. 介護サービスの導入を検討する

高齢者本人に介護サービス利用への抵抗がない場合や、日常生活の一部だけでも支援や見守りが必要と感じられる場合は介護サービスが入ることで、最低限の他者との交流機会が保たれ、ゴミ出しのフォローが受けられるなど、ゴミ屋敷化の予防に役立つメリットを享受できます。

この方法のポイント

  • 本人の意向をきちんと確認した上で導入する
  • 要介護認定時など、導入にかかる手続き時は付き添う

おわりに

今回は高齢者の家がゴミ屋敷になりやすい原因と予防方法をみてきました。ゴミ屋敷になってしまったらゴミ屋敷の片付け対応ができる特殊清掃業者に片付けを依頼するのがよいでしょう。

では、一人暮らしの高齢者でも安心して任せられる特殊清掃業者は、どのように選べばいいのでしょうか。

特殊清掃業者を選ぶポイントを下の表にまとめました。

着目ポイント確認内容
資格やスキル・一般廃棄物収集運搬許可を所有しているか
・清掃や消臭ができるか
・除菌も実施できるか
費用・定額料金設定がある
・明朗会計である
実績・ゴミ屋敷の清掃実績が豊富
・担当者が信頼できるか
追加条件・近隣対策はできるか
・立会無しは可能か


ゴミ屋敷の片付け・清掃をご希望される方、業者選びに迷っている方は、当サイトにご相談ください。

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