もくじ
はじめに・・・
パートナーが突然吐血し、救急車で運ばれた。慌てて入院手続きをして、看病して帰宅。
真夜中の光景が目の前に広がっている。家の中には血なまぐさい臭いがこもっている。
凄惨な吐血現場の中でもしっかり前を見据え、なんとか自分でこの吐血現場を清掃しようとしている貴女(男)へ送ります。
まさに吐血現場清掃のプロが、予備知識から清掃のコツや手順まで伝授します。
吐血現場清掃で最低限準備する物
病気が原因で起こった吐血の場合、血そのものに菌が存在する可能性が高い為、決して素手で触れないように注意してください。
そのため軍手などの布状の手袋ではなく、ゴム手袋が必須です。
液体が気化し、呼吸時に吸い込む恐れがあるので、マスクを二重に着用するといいでしょう。
ウエスは、タオル地の物や使い古したTシャツ等、液体を吸い込みやすい素材を多めに用意してください。
梱包用の袋は、まずコンビニやスーパーのレジ袋を用意し、更にビニール袋を用意しましょう。
衣服は、汚れてもいい服が望ましいです。
吐血内には様々な病原菌が存在する可能性があります。
それを想定した対処法が必要となりますので、まずは吐血消毒する予備知識をお伝えいたします。
吐血消毒を実施する前に知っておいていただきたいこととして、本来は熱消毒が有効であるということです。
熱消毒というのは、100度に近い熱湯を直接かけて消毒する方法です。
しかしながら、血液の場合は熱が入ると固まりやすく、逆効果であります。
また全ての場所で熱湯をかけて対処できるわけではありませんので、ここでは消毒剤を用いる方法をご紹介しております。
消毒剤は、次亜塩素酸ナトリウムの薬剤を用いることを推奨いたします。
※次の写真は、製造元ミツエイ株式会社
家庭で手に入るものとしては、台所等での使用を目的としている消毒剤である「ハイターやブリーチ」です。
次亜塩素酸ナトリウムは、希釈して(薄めて)使用します。
市販の塩素系消毒剤の原液の濃度には、1%~12%程度のものがあります。
500mlのペットボトルのキャップ(ふた)は約5mlの容量です。
計量カップ等がない場合は、これを用いて希釈できます。
(例) 原液が5%の消毒剤を希釈する場合
(注) 消毒液の入ったペットボトルは誤飲を防ぐためにも、「消毒液」であることをはっきりと表示してください。
作りたい消毒液の量によって、使用する原液の量が異なりますので、原液の濃度をよく確認して下さい。
ペットボトルに作った消毒剤はその時に全て使い切り、また、お子様がいらっしゃるご家庭では必ず消毒剤であることを明記し、手の届かない所へ置きましょう。
廊下に、直径50センチ程度の範囲で吐血があると想定し、コツと手順をお教えいたします。
まずは、バスタオルを水で濡らし少し水分を含んだ状態で絞るのを止め、吐血全体を覆うように被せ、5分程度放置します。
この時に決してやってはいけない事として、お湯を含ませることです。
温度が高いと、かえって血が固まってしまうからです。お湯を使用する事はNGです。
5分程度、吐血自体に被せておいたバスタオルを、両端からしっかりと床面に押しつけながら、真ん中へ寄せていく。
真ん中に集まった血の塊を、バスタオルごと取り去る。
取り上げたバスタオルは、そのままビニール袋へ入れてしまう。
この時の注意点は、拭き上げようとして、横へ広げてしまうことです。
粘性があるため、延びるように広がってしまうので、逆効果となってしまいます。
2)を同様に繰り返せば、相当の吐血がぬぐいさられていることでしょう。
薬剤としては、上述した次亜塩素酸ナトリウムやオキシドールをしみ込ませたウエスで拭き上げていきましょう。
殺菌効果が発揮され、同時に綺麗にぬぐうことができます。
オキシドールは薬局で手軽に入手できる薬剤です。
赤ちゃんの哺乳瓶を消毒する時に使用するミルトンでも大丈夫ですよ。
使用したウエスはレジ袋へ入れて可燃物用のゴミ袋へ入れましょう。
口をしっかりと縛っておけば、最寄りのゴミステーションに出しても大丈夫です。
床面だけでなく、廊下の壁等にも飛び散った血が付着している場合があります。
周囲の壁面のチェックもしっかり行ってください。
吐血現場の清掃において、床面、壁面の残留物のチェックには、ブラックライトが有効です。
ブラックライトがご家庭にあることは、まず無いでしょう。
ただ、どうしても気になる方は、大型電気店等で手に入ります。
極力暗くした室内で、吐血現場の床面、壁面にブラックライトを当てると・・・。
拭き残しがあれば、しっかりと判別がつく状態で、現れます。
プロも現場確認で使用する方法ですので、試されてみてもよいでしょう。
最後に、しっかりと換気を行いましょう。吐血現場の血なまぐさい臭いもなくなっていきます。
以上で吐血現場の清掃は終了です。
この手順で行えば、おおよそ10分~15分できれいになるはずです。
数回にわたって吐血された現場であれば、各手順を順を追って作業すれば1時間程度終了します。
このような場面に出くわされた方は、まずこの方法でチャレンジしてみて下さい。
吐血の原因として最も多いのは、食道から胃を通り、十二指腸までに病変があるときです。
その70%は胃・十二指腸潰瘍とのことです。
出血してから吐血までの時間が短い場合は鮮血色です。
しかし、数十分から数時間が経過すると胃酸によって変化するために、出血した血液は黒色化(コーヒー色)していきます。
上記の例えは、まさにこのような状態です。
胃からの吐血は一般的に量が多くなりがちで、洗面器いっぱい吐くこともあるようです。
量が多いのは、胃液や食べ物の残りかすがまじっているからで、実際の出血量はそれほど多くないものです。
ただ、見た目には衝撃的です。
また、腰痛・頭痛や発熱などでアスピリンなどの解熱鎮痛薬を使用することが多いですが、解熱鎮痛薬はその副作用として潰瘍や胃炎を生じて吐血することがあります。
大量の吐血のときは、緊急処置の必要があることが多いので、大至急次のような手配をします。
以上、今回は吐血現場清掃のプロがコツを伝授!女性にも簡単にできる正しい清掃方法として記事を書きました。
急な吐血にいかに対処するか、お役立ていただければ幸いです。