アパート経営で家賃収入を得るって憧れるなぁ。でも孤独死が増えてるって聞くし、入居者が孤独死したらどうすればいいのだろう?
入居者が孤独死したときには、注意点やポイントを知っておかないと、大家さん側の金銭的な損失が大きく増える可能性がありますよ。
なるほど、大家さんも楽じゃないんですね。
今回は収益物件で孤独死が起きたときのより良い対応や、金銭的な負担をなるべく抑える方法をみていきましょう。
もくじ
日常生活の中で、孤独死なんて体験したことはありませんね。そんなことが起こったら、何をどうすればいいのでしょうか。
まず、孤独死が発生したときの流れを表にまとめます。
STEP | 流れ | 大家さんがするべきこと |
STEP1 | 「入居者の異常」に関する通報が入る | ― |
STEP2 | 入居者の状況を確認して警察に通報する | 合鍵を使って室内を確認し、入居者の死亡が確認できたら、すぐに警察に連絡する。生死がわからない場合は救急車を呼ぶ |
STEP3 | ご遺族に「入居者の死亡」について連絡する | 入居者が死亡した事実や、今後、手続きが発生することなどについて、あらかじめ予告しておく |
STEP4 | 警察の鑑識が「現場検証」をおこなう | ― |
STEP5 | 警察が「ご遺体の検視」をおこなう | ― |
STEP6 | ご遺族に「原状回復(特殊清掃)」や「遺品整理」について協力をあおぐ | 特殊清掃費用や遺品整理、未払いの家賃の負担のほか、賃貸借契約の解除手続きへの協力をお願いする |
STEP7 | 業者に連絡して「特殊清掃」を依頼する | 特殊清掃の実績が豊富な専門業者に連絡して、室内の清掃を依頼する |
STEP8 | ご遺体がご遺族のもとに引き渡される | ― |
STEP9 | 「賃貸借契約」の解除をおこなう | 「賃貸借契約解約申込書」を用意して、ご遺族に記入してもらう |
STEP10 | ご遺族と一緒に原状回復費用の精算をおこなう | 特殊清掃費用/部屋の明け渡しが完了するまでの家賃/「家財の撤去」や「遺品整理」に関わる費用/未払いの家賃について、遺族と協議のうえ、費用負担の割合を決めて精算する |
上の表から大家さんがおこなう内容を取り上げて、みていきましょう。
通報を受けたら、大家さんは入居者宅に向かいましょう。インターフォンを鳴らしても、既知の電話番号に連絡しても応答が一切ない場合には、合鍵を使って部屋の中に入り、状況を確認します。死亡している可能性が高ければ、直ちに110番をコールして警察に通報しましょう。警察が現場に到着するまでは、現場のものに手を触れないでください。
生死の判断ができない場合には、119番をコールして救急車を呼びましょう。
入居者の死亡が確認できたときは、警察の次に連帯保証人にも電話して、以下の3点について伝えます。ほとんどの場合、連帯保証人は親や兄弟、親戚、子どもなどの親族です。
現場でいきなり、金銭的な話をすると面食らってしまう可能性が高いため、「アパートから退去いただくための精算業務が発生する」ことを軽く伝えておくのがポイントです。そのため、あらかじめ「賃貸借契約書」をチェックし、連帯保証人の氏名と連絡先を確認しておきましょう。
連帯保証人と今後のことについて早いタイミングで話し合いをしておかないと、費用負担について拒否されてしまったり、話がこじれたりする可能性があります。 とりわけ問題になるのが「室内の損傷」です。早急に特殊清掃をしないと、室内の劣化や損傷がどんどん進み、特殊清掃費用が膨大になる恐れがあります。特殊清掃だけで総額100万円以上の損失を被るケースもあります。
上記のうち特に「特殊清掃や遺品整理の依頼は、大家と連帯保証人のどちらがおこなうのか」については、特にしっかり話し合って決めておきましょう。
いずれにしてもお金の問題は、揉め事に発展しやすいため「協力してほしい」という寄り添いのスタンスで掛け合うことが大切です。互いに協力しながら問題解決するものと心得ておきましょう。
葬儀が落ち着いた頃合いで、連帯保証人に再度連絡し、退去の手続きを進めるためのアポイントを取りましょう。
真っ先におこないたいのが「賃貸借契約」の解除です。賃貸借契約を解除しないと、新しい入居者を受け入れることができません。契約の解除は「賃貸借契約解約申込書」を用意して、連帯保証人に記入してもらいましょう。
なお、葬儀が終わるまでは相手の心情を察し、ご遺族にアポイントを取るのは控えた方がよいでしょう。
最後に「原状回復および退去にかかわる費用の精算」をおこないます。
(ある場合)未払いの家賃
清算はあくまでも「孤独死」によって受けた損失部分のみ請求するものです。線引きをしっかり明確にしたうえで、費用負担をお願いするとトラブルに発展しにくいです。
入居者の孤独死ににあたり、連帯保証人とのトラブルを避けるための対策はあるのでしょうか。
孤独死が発生した場合、100万円単位の原状回復費用が発生したり、連帯保証人との協議が難航したり、大家さん側の費用負担が大きくなるケースもあります。そのため、万が一に備えて大家さんが加入する「家主型の孤独死保険」に加入するのがおすすめです。
保証内容は遺品整理費用、原状回復費用、家賃の損失費用など、孤独死によって発生した損害をカバーします。詳しい補償内容は保険会社に問い合わせてください。
入居者の孤独死は、いつなんどき起こるかわかりません。そのため、日頃から、特殊清掃や遺品整理を依頼できる事業者とつながっていると安心です。
事業者を選定する際のポイントは以下の通りです。
上のチェックポイントを参考に、信頼できる事業者とつながっておきましょう。
孤独死する人のなかには、家族との縁が薄いケースも少なくありません。遺体の引き取りを拒否したり、損害賠償請求に応じなかったり、遺品整理をおこなわなかったりするご遺族もいます。その場合には、大家さんが一方的に損失を被る可能性が大きいです。賃貸借契約を結ぶ際に、家族や連帯保証人が連絡が取れる相手なのか確認しておきましょう。
孤独死の死因のダントツトップが「病死」で64.7%を占めています。さらに、15日以上経過してから発見されるケースが、全体の30%を占めています。そこで活用したいのが「見守りサービス」です。
家での安否確認を24時間365日体制でおこなったり、緊急時に警備会社に知らせられたりする民間のサービスがあります。一例として、セコムが提供している「親の見守りプラン」が挙げられます。入居者が高齢の場合、見守りサービスを、入居者やそのご家族におすすめしておくと安心です。
「見守りサービス」をおこなっている地方自治体もあります。たとえば、神奈川県平塚市では、高齢者向けに「在宅時緊急通報システム」を月額400円で提供しています。
出典:平塚市「在宅時緊急通報システム」
お住まいの市区町村に、高齢者向けの見守りサービスがないか、確認してみましょう。市区町村における見守りサービスの提供状況は「高齢者見守り・安否確認比較.com」というサイトが参考になります。
今回は、賃貸アパートやマンションの入居者が孤独死したときに大家さんがおこなうことと、その注意点、そしてトラブルを避けるためにしておいたほうがいいことなどをみてきました。
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