不動産営業をしている友人が、孤独死のあったマンションを成約したそうです。
事故のあった物件でも売れるのですね。
孤独死があれば、必ず事故物件とは限りませんよ。
そして、事故物件の売却には注意点があります。
一緒に見ていきましょう。
もくじ
孤独死があった物件(※)は、不動産という観点では「事故物件」にあたる可能性があります。
事故物件とは、「心理的瑕疵」がある物件、つまり、「この物件には住みたくない、買いたくない」と感じさせる要因がある不動産のことです。
※物件=不動産物件。当ページでは分譲マンションなどを「物件」と表記しています。
では、どんな物件が心理瑕疵にあたるか考えてみましょう。
このような物件でしょう。
心理的瑕疵のある物件は、売買の際に「買いたくない」と感じる人が多いため、売却価格が下がってしまうのです。
さて、孤独死があった物件は事故物件なのでしょうか。
実は、その状況によって事故物件にあたる場合とあたらない場合があります。
孤独死と事故物件について詳しく知っておきましょう。
まず、死因をみてみましょう。
一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会の「第5回孤独死現状レポート」によると、孤独死の死因は次のようになっているそうです。
孤独死の6割程度を占める「病死=自然死」があった物件は「事故物件」ではないとされています。なぜなら、人はいつか必ず亡くなるもので、その死因が病気であるなら特に何も問題がないと考えられるからです。
一方、自殺をはじめとした自然死以外の孤独死は「心理的瑕疵」にあたるとされます。 つまり、同じ「孤独死」があった物件でも、
と分けられるのです。
次に「発見までの時間」をみてみましょう。
孤独死は、すぐに発見されれば物件自体に大きな影響は生じません。
しかし、発見されずに何日も経ってしまうと、遺体が腐敗して床や壁に汚れや臭いがしみついてしまいます。虫が発生することもあります。
そうなると、死因にかかわらず、その物件は「事故物件」になります。
特殊清掃をおこなって物理的には問題ない状態に戻しても、「腐敗した遺体があった」という事実は心理的瑕疵として残るからです。
死因と発見までの時間から、孤独死と事故物件の関係をまとめると次の表のようになります。
死因 | 発見までの時間 | 事故物件かどうか |
自然死(病死) | すぐ発見 | 事故物件ではない |
日数が経って発見 | 事故物件 | |
自殺、事故死、殺人、不審死 | すぐ発見 | 事故物件 |
日数が経って発見 | 事故物件 |
ただし、この「発見までの時間」は「〇日以内なら問題ない/〇日以上経つと問題あり」と明確に定義されていません。
事故物件を売却するときは、一般の不動産を売却するときとは違った注意点や売却法方法があります。それはどんな点でしょうか。
告知義務がある
物件が「事故物件」に該当する場合、売買・賃貸するときにその事実を不動産会社や買い手に告知しなければなりません。事故物件であることを隠して売買・賃貸すると、それがわかった時点で損害賠償を請求されるリスクがあります。
ちなみに、国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン(案)」では、賃貸の場合はこの告知義務があるのは「事案の発生から概ね3年間」としています。一方、売買の場合は告知義務の期限を定めていません。
何年経っても売買のときにその事実を告げなければいけないのです。
事故物件に、自ら進んで住みたいという人は少ないですよね。
そのため、事故物件の売却価格(または賃貸料)は、相場よりも下がってしまいます。
どの程度安くなるかは、孤独死の状況や物件の条件によります。
亡くなってすぐ発見され、部屋には目立った汚れや臭いもなかった場合は、1割程度の割引で売れる可能性があるでしょう。
一方で、自殺だと3割前後、殺人などの特に忌避感が強い死因であれば5割程度も安くなってしまう恐れがあります。
孤独死があった物件も一般的な不動産売買と同様、仲介業者を通して売却することが可能です。
特に、事故物件にあたらない、自然死ですぐ発見されたケースなら、価格は少し下がるかもしれませんが、通常の売買方法で売却できます。
不動産会社に物件を査定してもらうときに、孤独死があったことを話しておきましょう。
事故物件の売買を扱っている不動産会社に「買取してもらう」方法もあります。
特に、事故物件や訳あり物件に特化して買取を行っている業者があるので、利用するのもひとつの手でしょう。ただ、売却価格は仲介よりも安くなる傾向があります。
仲介による売買と買い取りを比較すると、「時間がかかってもいいから少しでも高く売りたい」人は仲介、「安くてもいいから少しでも早く売りたい」という人には買い取りが向いているといえそうです。
孤独死があった物件は、そのまま売りに出してもなかなか売れません。
少しでもいい条件で売却したければ、以下のことを参考にしましょう。
自然死ですぐ発見された場合であれば、一般的なハウスクリーニングでもいいかもしれませんが、できれば消臭、壁紙の張り替え、床材の交換などはおこなっておきたいところです。
事故物件になってしまったら「特殊清掃」が必要になります。特殊清掃とは、通常のハウスクリーニングでは絶対にとれない「におい」「床や壁にしみついた汚れ」などを、特殊な技術で消し去ることです。
特殊清掃は、専門業者に依頼します。費用は通常のハウスクリーニングよりも高額になります。
日本少額短期保険協会が発表している、2015年4月〜2020年3月の孤独死についてまとめた、遺品整理と特殊清掃にかかった費用の平均は601,783円とされています。
内訳は次のとおりです。
平均残置物処理費 ※家財品の撤去・廃棄費用 | 381,122円 |
平均原状回復費 ※孤独死が起きなかった状態までの修繕費用 | 220,661円 |
合計 | 601,783円 |
参考:一般社団法人日本少額短期保険協会『第5回孤独死現状レポート』
この数字はあくまでも平均で、広さや汚れ具合により実際にかかった費用には大きな開きがあります。
具体的な金額については業者から見積もりを取りましょう。
もし大々的な特殊清掃が必要であれば、思い切ってリフォームをするのもいいでしょう。
壁紙、床、天井を新しくして、キッチンや浴室などの設備を入れ替えるフルリフォームの場合、300万円以内で収めることも可能です。
新築同様にリフォームされた物件が、相場よりも割引価格で購入できるとなれば、そのメリットが事故物件のデメリットを上回っていると感じる買い手が現れる可能性が上がります。
不動産会社に、「リフォームすればいくらで売れそうか」など相談してみてもいいでしょう。
今回は、孤独死のあった物件の売却についてみてみました。
ポイントは
でした。
もしあなたが、孤独死のあった物件を売却したいなら、当サイトににご相談ください。
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