人が孤独死した家で、飼い主が亡くなったことがわからずペットだけが生きてるなんてことがあるんでしょうねぇ…
ありますね。そしてペットも亡くなっていることもあります。
今回は孤独死現場にいるペットの状況に合わせた適切な対応をみていきましょう。
もくじ
孤独死した現場にペットがいる場合、どのようにペットの対応をすればいいのでしょうか。
まず、孤独死があったときの流れをみてみましょう。
「検死」とは、死亡した原因の判断が難しい場合におこなわれる調査です。「事件性がなかったか」「死因は何だったのか」などを調べるため、遺体を検査したり、場合によっては解剖したりします。
現場検証している期間は、部屋の鍵を含めた貴重品も警察で保管され、身内であっても部屋に入ることは許されません。したがって、ペットの対応ができるのは、「検死」が終わり警察から鍵を受け取ってからになります。
では、ペットが生きている場合とペットも亡くなっている場合に分けて、対応方法をみていきましょう。
飼われているペットは自力で外に出ることもできず、水を飲んだり、ご飯を食べたりすることができません。
また、糞尿を始末してくれる人がいないので、みるみる部屋の環境は悪化していきます。
そのため、孤独死現場に残されたペットは時間の経過とともに生存確率は低くなります。
孤独死した現場でペットが生きている場合には、早急に保護してくれる可能性のある団体や機関に連絡しましょう。
保護活動をおこなっている団体や行政のそれぞれの特徴の違いは下の表のとおりです。
アニマルシェルター | 保健所 動物愛護センター | |
管轄 | 非営利団体 ボランティア | 公的機関 |
動物の保護活動 | 状況による | 状況による (ペットの場合は身内からの依頼のみなどの制限あり) |
保護した後 | 新しい飼い主へ譲渡するための対応がおこなわれる | 収容される |
譲渡先がない場合の対応 | シェルターで過ごす | 殺処分 |
では、アニマルシェルターと保健所および動物愛護センターについて詳しくみていきましょう。
人間の都合によって飼育放棄されたペットや、殺処分がおこなわれるために収容されている犬や猫を保護しているボランティア団体です。保護した犬や猫を新しい飼い主へ譲渡するためにワクチン接種や去勢手術、怪我の治療、ペットとしての訓練などをおこなっています。「動物保護センター」「動物保護シェルター」とも呼ばれています。
保護するべき状況にあるペットについても理解があるため、保護する際にはペットの特徴をおさえたエサやケージ、キャリーケースなどの準備をして捕獲・保護がおこなわれます。
まずは地域のアニマルシェルターを検索して、問い合わせ・相談をしてみてください。
保健所は地域住民の健康的な生活を衛生面からサポートする公的機関で、各都道府県や市町村に設置されています。
一方、動物愛護センターは保健所や地方自治体と連携し、動物に関する業務に特化して動物の保護や管理をおこなっている施設です。
ただし、すべての都道府県や市町村に動物愛護センターが設置されているわけではありません。
動物愛護センターがない地域では保健所が動物の収容および殺処分をおこなっています。
地域によって担当する施設が異なるというわけです。
なお、保健所や動物愛護センターでは、安易な引取りは殺処分増加につながると考えられ、引取りを拒否する場合もあります。
厚生労働省のホームページから地域の保健所管轄区域を確認できます。
孤独死した現場でペットも亡くなっていたら、ペットの対応・供養と共に、部屋の現状回復が可能な特殊清掃業者に依頼をします。ペットの対応ができる特殊清掃業者に依頼する理由は二つあります。
それぞれについて、みていきましょう。
独居生活を送っている人は寂しさのあまりペットを多頭飼いしているケースも珍しくありません。
ペットが生きている場合にはペットが動くことでペットの存在を認知できますが、ペットが死亡して動かない状態になっている場合は生活ごみの一部として紛れた状態になっていることもあります。
そこで、清掃しながらペットの対応ができる特殊清掃業者へ依頼することがおすすめです。
ご遺族はペットや孤独死現場への対応だけでなく、故人の葬儀や死亡届の提出、利用していたサービスの停止、相続など、あらゆる手続きが必要になります。特殊清掃業者に依頼すると、部屋の現状回復も含めてペット対応もでき、窓口が1つになるため、スムーズな孤独死の対応が期待できます。
ただし、特殊清掃業者は民間企業であるため、依頼する業者によって対応できる内容や、方法、料金が異なります。中には「悪徳業者」と呼ばれる業者も存在します。ポイントをしっかりおさえて選定・依頼をしてください。
ペットが生きていても、死んでしまっていても、部屋の原状回復のためには特殊清掃業者への依頼は欠かせません。しかし、特殊清掃業者へ依頼するのは初めてという方も多いでしょう。
近年では「特殊清掃」と名乗る業者が増えてきました。しかし、中には依頼者の無知につけ込む「悪徳業者」と言われるような業者も増えていることが現状です。悪徳業者とのトラブルを避けるため、特殊清掃業者を選ぶポイントを確認しておきましょう。
優良な特殊清掃業者かを見極めるポイントの1つが業者の保有している資格です。
ペットがいる孤独死現場を清掃するにあたっては以下の資格を持っているかに注目してみてください。
ここで紹介する資格は簡単に取得ができないものや、特殊清掃業者として持つことが必須の資格もあります。
優良な特殊清掃業者を見極める1つの要素になるため、資格保有を確認しておきましょう。
解体届、解体許可は都道府県知事や大臣から発行される公的な資格です。ペットのいる孤独死現場はペットの臭いや遺体から出た体液、糞尿が建材まで染み込み、解体しなければ完全消臭することが難しい場合もあります。
その解体時に必須の資格が『解体届』『解体業許可』です。
公的な資格であるため『解体届』は各都道府県のホームページで公開されている名簿から確認ができ、『解体業許可』は国土交通省の検索システムから業者を確認することが可能です。
以下のサイトを参考にして比較検討している業者についてリサーチしてみましょう。
各都道府県のホームページ『解体工事登録業者名簿』でご確認ください
北海道 青森 岩手 秋田 山形 宮城 福島 茨城 栃木 新潟 富山 石川 福井 長野 東京 神奈川 埼玉 千葉 群馬 山梨 静岡 愛知 岐阜 三重 大阪 兵庫 京都 奈良 和歌山 滋賀 岡山 広島 島根 鳥取 山口 徳島 高知 愛媛 香川 福岡 佐賀 宮崎 大分 熊本 長崎 鹿児島 沖縄
※リンクのない都道府県は直接行政へお問い合わせください
国土交通省 建設業者・宅建業者等企業情報検索システム
検討している業者名を上記のサイトへ入力し検索すると、大臣許可を取得しているかが確認できます。
脱臭マイスターとは脱臭技術や臭い物質の知識、臭気評価の方法、除菌の基礎など脱臭に関わる知識と技術を持ち合わせていることを証明する資格です。
特殊清掃業に必須な資格ではありませんが、臭いの発生が伴うペットのいる部屋での孤独死現場では有効な資格であると言えます。
脱臭マイスターは細かく専門的な資格に分かれています。
ペットがいる孤独死現場の特殊清掃業者を依頼するなら、『ペットマイスター』『孤独死脱臭マイスター』に注目しましょう。
部屋の解体をおこなえる資格を保有していても、消臭技術や薬品がなければ消臭することはできません。
ペットを飼育している部屋はペット特有の臭いが染みついているため、死臭だけではなくペットの臭いにも対応できる消臭技術を持っているかに注目しましょう。
また、臭いは人によって感じ方が異なります。
選定のときは、臭いが除去できたことをどのようにして証明しているのかを明確に聞くようにしてください。検討している業者に問い合わせをおこなって、作業を明確にすることがポイントです。
孤独死現場は生活汚れの他に体液など遺体から発生した汚れも付いています。
ペットが飼われていた部屋はペット特有の臭いや汚れが付いているでしょう。
これらの汚れは、汚れによって薬品や道具を使い分けなければなりません。
実績の有無や実績数は特殊清掃に関する知識や技術レベルの1つの指標になるため、確認しましょう。
今回は、孤独死現場にペットがいた場合の対応方法についてみてきました。
孤独死があったときは、まず警察によって「検死」がおこなわれます。
ペットの対応は検死が終わってからになります。
ペットが生きている場合は
に連絡します。
ペットも亡くなっている場合は、特殊清掃業者に対応を依頼しましょう。
特殊清掃業者を選ぶときのポイントは
でした。