近頃、ひとり暮らしの方が自宅で無くなるケースが増えていますね。
いわゆる「孤独死」だな。
貧困だったり、地域の人と交流しないで生活する人が多くなったことなど、
様々な背景があるようだ。
ひとり暮らし人口も増えていますからね。
孤独死がおきやすい状況はあるとしても、そうならないために現状とその原因を
知っておくことは大切だ。現状について確認してみよう。
もくじ
「人生の最期は、家族に看取られて旅立ちたい」
または
「大切な家族の最期は、そばにいて見送りたい」
そう考えている人も多いかと思います。
ですが今、「孤独死」で亡くなる方が増加の一途をたどっているのです。
この記事は孤独死の現状について知ることで
「どんな環境で暮らす人に孤独死が多いのか?」
「孤独死で亡くなる原因は何なのか?」
といった疑問にお答えできる内容になっています。
原因がわかっていれば、孤独死のリスクを回避することができますね。
健康で動けるうちにできる対策をしておくと、高齢になっても安心して暮らすことができます。
また、家族を的確にサポートすることもできるでしょう。
ぜひ最後まで読んでいただき、参考にしてください。
まずは、こちらのグラフをご覧ください。
出典:東京都監察医務院
上のグラフは「東京都監察医務院で取り扱った、自宅住居で亡くなった単身世帯者の統計(令和元年)」
です。
これを見ると、男性の孤独死数が40代を超えたあたりから、グッと上昇していることがわかります。
女性のゆるやかな上昇とは、明らかに違いますね。
孤独死というと高齢者のひとり暮らしといったイメージが強いですが、実は40〜50代の
若年層男性も、孤独死が増加している現実があります。
知っておきたい孤独死の現状、それは以下の3つです。
・孤独死の70%が独身男性 ・10年間の孤独死増加率は、なんと約1.4倍! ・40代でも要注意!若い世代の孤独死が増加中 |
ひとつずつ見ていきましょう。
東京23区の統計によれば、孤独死した人数5554人のうち、男性は3868人(令和元年の統計)
となっています。
孤独死全体数の70%を、独身男性が占めているというわけです。
男性の孤独死が圧倒的に多い理由は、栄養管理や生活管理が苦手であるなど、さまざまな要因が
考えられます。
先ほどのグラフでは年代別の増加傾向についてわかりましたが、実は孤独死の全体数も、
ここ10年の間に約1.4倍も増加しているというデータがあります。
東京23区の2009年から2019年のグラフです。
出典:東京都観察医務院
一見ゆるやかな増加のように見えますが、2009年との比較では1.4倍になっており、近年が
特に増えていることがわかります。
2019年でいうと、1日あたり15人の人が孤独死をしているのです。(東京23区内)
孤独死というと「高齢者のひとり暮らし」という印象が強く、若い人は関係ないと思うかも知れません。
しかし、孤独死の全体数が増えている今、注意が必要なのは高齢者だけではないのです。
働き盛りの40代や50代男性の孤独死も増加傾向にあります。
冒頭でご紹介したグラフをもう一度見てみましょう。
出典:東京都監察医務院
令和元年の東京23区内では、孤独死した人の数は5554人です。
その中で、65歳以下が1641人で全体の約30%。
さらに40〜50代に絞ると、960人になります。
東京23区内で全国の統計ではありませんが、これらのデータからは
「孤独死は高齢者のみに降りかかる現象ではないこと」
「40代以降の独身男性は注意が必要であること」
がわかります。
では、なぜそれほどまでに孤独死が増えているのでしょうか?
年々、増加傾向にある孤独死ですが、増えている理由とは一体なんでしょうか?
孤独死が増えている理由として、以下の5つがあると言われています。
①ひとり暮らしの人口が増えたため、緊急時に気づいてもらえない ②貧困により、医療を十分に受けることができない ③地域との交流がなく異変に気づいてもらえない ④健康や衛生管理をうまくできず生活レベルを落としてしまう ⑤30〜50代だが病気休職や退職しているひとり暮らし |
詳しくお伝えしていきます。
ひとり暮らしの世帯は、全体の何%くらいいると思いますか?
総務省がまとめた平成30年度の資料によれば、単独世帯の割合は全体の35%にのぼります。
2000年頃は27%だったものが、現在は35%と上昇中。
このまま増え続けると、
「2040年にはひとり暮らし世帯が40%になる」
という予測がされているほどです。
増えている理由としては「未婚率の増加」「配偶者の死亡・離別や、子どもの独立などで
一人暮らしになる人の増加」が考えられています。
ひとり暮らしでは、急な発作や自宅内での事故など異変があった際に、救急車が呼べなかったり
気づいてもらうことができないといったことが起きやすくなるのです。
貧困のため、ひとり暮らしをしている人も多く、経済的な理由で医療機関にかからないまま
孤独死してしまうケースも増えています。
ケース1:
持病があっても通院をしないので、検査や投薬による治療を受けられずに持病が悪化し、 孤独死となってしまう。 |
ケース2
痛みなどの体調不良を感じても、お金の余裕がなく病院にかからないので、心筋梗塞などの 病気があったとしても見過ごしてしまい、自宅で発作を起こして亡くなってしまう。 |
これらのように、貧困のため適切な治療を受けないまま自宅で亡くなり、
孤独死をひきおこしてしまうのです。
ご近所づきあいも、いのちを守るために大切な交流です。
ひとり暮らしでも地域の人と活発に交流していればいいのですが、「誰が住んでいるのか
近所に知られていないほど、外に出ない」ような人は、急な体調不良や発作などで倒れて
しまっても、気づいてもらえないまま孤独死してしまう可能性が高くなります。
特に都会では、トラブルを避けるためにご近所付き合い自体を避ける傾向もあります。
ですが、毎日の散歩で馴染みの人と出会い、交流をもつなど「気にかけてくれる人」の存在も
大切なのです。
健康をつくるのは毎日の食事です。
自炊をせずに外食やコンビニ、あるいはカップラーメンなどのインスタント食品ばかりで
生活しているひとり暮らしも要注意です。
コンビニのお弁当やインスタント食品は添加物が多く使われているため、長期にわたり継続して
食べ続けると健康を害する可能性があります。
また、掃除や片付けができないままゴミ屋敷となってしまったり、不衛生な環境で暮らし続ける
ことも、健康によくありません。
独身男性に孤独死が多い理由も、自炊した経験の有無による影響が大きく関わっていそうです。
いまや社会問題となっているほど多いうつ病や、糖尿病などの疾患により、休職せざるを
得なくなってしまった人も孤独死の危険があります。
病気で休職や退職をしている人には、働き盛りの30〜50代の独身男性も多いですが、会社との
関わりがなくなると、社会との接点が薄く引きこもりがちになり、孤立してしまいがちです。
そして高齢者の場合は行政による見守りサービスもありますが、若年層は該当しないため、自宅で
倒れてしまった場合にも「まさか」と気づいてもらえず、発見が遅くなってしまうケースも
あるのです。
今は特に、ひとり暮らしが孤立化しやすい環境にある。
この記事にあるデータ以上に増えているかもしれないな。
病気の人ほど見守りが必要なのに、若い人だと行政のサポートも届かない。
もどかしさがありますね。
しかし、だからこそ対策をして孤立しない環境づくりが大事になってくるのだ。
次回は孤独死を防ぐためにできることを学びましょう!