ペット可物件は通常物件よりも退去時の費用が高くなりますが、
実際いくら位なんでしょうね?
金額は場所ごとに違うからなあ。
今回は退去費用の相場について、場所別に見ていきましょう!
「ペット可物件の退去時の修繕費用って、どのくらいの請求がされるの?」
と心配な方もいらっしゃるかもしれませんね。
通常物件より高くなると理解しておく必要はありますが、費用はキズや汚れの程度によっても変わります。
また、契約書の記載内容や貸主によっては不必要な請求をされることもあります。
この記事を読んで、請求時の退去費用が妥当かどうかの判断材料にしてください。
もくじ
退去時の修繕費用で必要以上の高額支払いをしてしまうなんて、イヤですよね。
もちろん「キズや汚れの程度によって変わる」のですが、目安となる相場について知っておくことで、
請求が適正であるかを判断することができます。
「本当にこんなにかかるものなの?」
「大きなキズをつけていないのに…」
請求について大家さんに確認する際にも、根拠となる情報を知っていると知らないとでは説得力に
大きな違いがでます。
場所ごとの相場をしっかりチェックしておきましょう!
修繕する箇所 | 費用の相場 |
---|---|
壁紙・クロス | 800〜1,000円(1㎡) |
フローリング | 8,000〜15,000円(1㎡) |
畳 | 表替え:3,000〜5,000円(1畳) 交換:10,000〜25,000円(1畳) |
柱 | 10,000〜60,000円(1本) |
襖や障子 | 襖の張替え:3,000〜8,000円(1枚) 襖本体の交換:10,000〜30,000円(1枚) 障子の張替え:2,000〜8,000円(1枚) |
ハウスクリーニング | 25,000〜50,000円(1R・1K) |
それぞれを修繕する場所ごとに解説していきましょう。
壁紙・クロスの張り替え費用:およそ800〜1,000円程度(1㎡当たり)
犬や猫が壁紙の一部をキズつけたり穴を開けてしまった場合に、どこまで借主が費用を負担するのでしょうか。
キズがある部分のみの修繕費用でOKなのか?
キズがある壁紙一面の費用を負担することになるのか?
また、キズがある壁紙一面を変えたことにより、隣接する壁紙までも借主が費用を負担して変えなければ
ならないのか?
その答えは次の画像にあります。
左の壁紙の一部の破損を修繕すると、古い壁紙との色の違いが生じてしまいます。
そのため「破損部分がある壁紙は借主が負担」をし、「色合わせで張り替える必要がある壁紙の
費用は貸主負担」となります。
このように、ペットがつけたキズが一部でも壁紙一面の張替えとなる可能性があることを知って
おくといいでしょう。
フローリング張替え費用:8,000〜15,000円程度(1㎡)
フローリングも、ペットがキズつけた場所の修繕費用を負担します。
キズの箇所が広範囲となる場合には、部屋全体の張替えとなります。
使用していた床材が無垢材などの高価なものだと、同等のもので張り替えなければならず、
高額になるケースもあります。
畳の表替え費用:3,000〜5,000円程度(1畳)
畳の交換費用:10,000〜25,000円程度(1畳)
畳の修繕は、表替えと交換のふたつの方法があります。
畳の表とフチを交換するのみの「表替え」であれば一畳あたり3,000〜5,000円程度ですが、深いキズやカビが生えている場合では畳自体の交換となり、費用は一畳あたり10,000〜25,000円程度かかります。
日焼けによる変色であれば、ペットを飼っていない物件でも経年により自然におこりうることなので、
修繕費用の負担はありません。
ペットがキズをつけた場合には、借主負担となります。
柱のキズ修繕費用:20,000〜60,000円程度(1本)
あとは、キズの深さや範囲などで費用が変化します。
襖の張替え費用:3,000〜8,000円程度(1枚)
襖の本体の交換費用:10,000〜30,000円程度(1枚)
障子の張替え費用:3,000〜8,000円程度(1枚)
キズが襖の張替えだけで済む場合は、3,000〜8000円程度の費用で済みます。
しかし、襖の枠まで破損しているなど本体ごと交換となる場合には、10,000〜30,000円程度の費用がかかります。
ハウスクリーニング費用:25,000〜50,000円程度(1R/1Kの部屋)
ハウスクリーニングの場合は、お部屋の広さで費用が変わります。
また、ポイントとなるのは「におい」です。
ペットがつけたにおいは、プロによる消臭や脱臭を行わないと完全除去が難しいため、ハウスクリーニングや消臭に対する費用は、借主が負担します。
ここまで、場所別に費用の相場についてお話してきて
「ペットを飼っていると、退去費用がかさむことばかり」と思っている方へ朗報です。
実は、壁紙やカーペット・クッションフロアに関しては、経過年数による考慮がされるため、借主の費用負担が下がるというルールがあります。
※詳しくは国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
壁紙やカーペット・クッションフロアは経年による自然劣化があるため、
退去時の負担割合に反映させるというものです。
例えば、居住年数が3年の場合では借主の費用負担は50%まで下がるので、以下のような計算ができます。
(例) 入居後3年で退去する場合:負担割合50% 壁紙張替え費用が20,000円のところ 20,000円×50%=10,000円 |
国土交通省のガイドラインによれば、壁紙やカーペット・クッションフロアの経過年数の考慮は
「6年で残存価値が1円となるような負担割合を算定する」とあるので、6年以上住んでいると
壁紙の残存価値は「1円」まで下がるのです。
こちらのグラフでは一目瞭然ですね。
居住年数によって負担割合が減ることも、長く住んでいる方は覚えておきましょう。
退去時の費用負担を少しでも減らすために、請求書がきたときは以下の3つのポイントを確認してみましょう。
1.壁紙やカーペットなどに経過年数の考慮があるか 2.契約書の内容と合致しない請求がないか 3.支払う必要のない請求が含まれていないか |
前述した通り、居住年数によって借主の負担割合を軽くする考慮があるのですが、考慮されてない
金額の請求書が送られてくる場合もあります。
貸主が国土交通省のガイドラインを理解していない場合や、中にはわかっていながら請求する貸主もいます。
支払う必要のない請求に応じる必要はありませんので、すぐにサインをせずに
「相場について知りたいから」
「契約書の内容を今一度確認したいから」
と理由をつけて、何日か確認するための時間をもらうといいでしょう。
見積書や修繕内容の詳しい項目が明示されていない場合も、詳細な見積もりを出してもらうよう
お願いしてみましょう。
ペットを飼っているいないに関わらず、居住年数によって借主の費用負担割合は減少します。
請求書の内訳の中にちゃんと負担割合が記載されていますか?
経過年数があるのに負担割合の記載がない場合は、全額請求されていることもあります。
貸主や管理会社に確認をしてみましょう!
契約書にある「特約」は、通常は貸主が負担するべき費用を借主に負わせる内容のものです。
よくある例としては
壁紙の張替えは借主負担とする。 なお、張替え費用は1㎡あたり000円とする。 |
といったものです。
特約が有効となる条件として「金額と負担する範囲が記載されていること」と、「費用が相場に見合った一般的な金額であること」があります。
条件をクリアしていない特約について支払う必要はありません。
一方、特約に記載されていない内容を請求される場合もあるので、契約書はよく確認しましょう。
普通に生活をしていて消耗したり汚れる部分の修繕費用は、毎月の家賃に含まれているため、
退去時に支払う必要はありません。
退去時には、本来支払う必要のない費用が請求されていないか確認しましょう。
内容は、こちらの表を参考にしてみてください。
出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
相場の知識をもっていないと、高額でも
「ペットを飼っているから仕方ないか…」と支払ってしまいそうです!
知識は自分を守ってくれるな。
賃貸物件でペットを飼う場合は、爪をこまめに切るなどの対策もぜひ!