水害でもないのに、なぜか床下浸水しているならば、水漏れでしょうか?
水害が起こってもいないのに床下浸水をしている場合、給水管やお風呂・
トイレなどの水回り設備の水漏れが原因かもしれません。
もくじ
床下浸水が発生する理由には、大きく分けて3つ原因が考えられます。
原因を突き止めて水がたまってしまう状況を食い止め、早急に対処を行うことが大切です。
まずは床下浸水が起こる原因をみていきましょう。
床下浸水が発生したときにまず疑うべきは給湯管や排水管からの水漏れです。
住宅には給水管や排水管、給湯管などの配管が床下からつながっています。
これらの配管がうまく機能していないことで水漏れが発生し、床下浸水を引き起こしている可能性があります。
配管が機能していない原因には、主に次の2つが考えられます。
配管の水漏れは経年劣化によるものだけでなく、建築時の工事段階からつなぎ目の固定がしっかりされていなかったことによる水漏れもあり得るため、家の築年数に関わらず排水管から水漏れしてしまうことは原因の1つとして挙げられます。
冠水などの水害が起こらない限り、基礎部分には日常で降る程度の雨水の侵入は考えられません。
しかし、経年劣化や床下浸水の放置などで腐食が進み、基礎や外壁にすき間が生じている場合は雨水が侵入して床下へ流れている場合もあります。
また、地面に近い部分に基礎の換気口を設けている場合、換気口から雨水が入ってしまった事例もあります。
外壁の劣化や換気口の位置によって雨水が床下にたまってしまうことも考えられる原因の1つです。
近年の住宅は耐久性を高めたり、地中の湿気やシロアリなどの害虫被害から守ったりするために高密度なベタ基礎を採用する家が一般的になりました。
【ベタ基礎の例】
しかし、このような基礎構造は湿気が逃げにくい構造であると言えます。
結露は温度の変化によって生じますが、夏場の床下は地熱の影響を受けやすく、温度変化が生じやすい場所です。
そのため、通風などによる換気が行われないと逃げ場を失った水蒸気が床下部分にたまり、床下に結露が発生してしまいます。結露によって床下に水がたまっていることも原因の1つとして考えられることです。
住宅内の設備に異常が見受けられないのに床下浸水が発生している場合、壁や床下などの場所で水漏れが起こっていたり、外部からの影響があったりすることが考えられます。
これ以上床下に水がたまらないよう、床下浸水している箇所を突き止めましょう。
下記の水漏れ確認のステップを参考にして水漏れチェックを行ってください。
まずはキッチン・洗面台・浴室・トイレ・洗濯機・屋外など、住宅内の蛇口をすべて閉めて、水道メーターの動きを確認します。
すべて閉めているにも関わらず、水道メーターの回転が止まらない場合は床下に通っている配管で水漏れが起こっていると考えられます。次のステップで場所を特定しましょう。
止水栓を1カ所ずつ閉めたときに水道メーターがどのように変化するかを確認します。
止水栓とは、キッチンシンク下や洗面台下など、室内に設置してある下記のような2つの蛇口です。
【止水栓の例】
2つの蛇口は“給水管”と“給水器具”に設けられており、水漏れのトラブルやメンテナンス時に水道の流れを止める役割があります。
この止水栓を『キッチンだけ』『洗面台だけ』と1カ所ずつ止めて水道メーターの動きを確認しましょう。
例えば、洗面台にある止水管を閉めたときに水道メーターの動きも止まった場合、洗面台の配管で水漏れしていると考えられます。
一方、洗面台の止水栓を止めても水道メーターが動いている場合は、洗面台以外の設備の水漏れが考えられるなど特定できるようになるため、1カ所ずつ確認することがポイントです。
このように止水管と水道メーターの確認を組み合わせることで、どの配管で水漏れが起こっているのかを特定することが可能になります。
もしもSTEP2まで行って場所が特定できなかった場合、以下のようなトラブルが考えられます。
配管には『給水管』と『排水管』が存在します。排水管とは『使った水が流れ出る配管』です。
そのため、排水管に流れるときには水道メーターが動くことはありません。
水道メーターが止まっているにも関わらず床下浸水が発生している場合には排水管で水漏れが発生しているということも考えられます。
止水管を閉めてトイレの水を流してみたり、浴槽から水を流してみたりしたときに床下に水がたまっていくようであれば、排水管に問題があると考えられます。
配管による原因ではない場合、雨水の侵入や結露の発生によって床下浸水していることも考えられます。
雨水が侵入する経路としては、例えば基礎の配管貫通部や外壁、サッシなどが挙げられます。
このような部分は経年劣化によって住宅にすき間が生じ、外壁内やサッシまわりから床下に水がたまってしまっていくという場合もあります。
また、床下には換気口が設けられているものの、多くの水分を逃がせるほどの通気性はありません。
朝と昼の気温差が大きいことで結露が発生している場合もあります。
このような建物の劣化による雨水の侵入や結露については専門知識が必要なので確認が難しく、水道業者に依頼しても解決できるものではありません。
施工会社などの住宅建築に詳しい業者に確認を依頼して原因の特定を仰いでください。
突発的に発生する床下浸水は、イレギュラーな対応が求められます。
頻繁に発生するものでもないので、修理や原状回復にかかる費用について不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
状況によってかかる費用は異なりますが、必要になる費用の目安として下の表を参考にしてください。
水漏れ修理(依頼する場合)
作業費 | 10,000~20,000円 |
---|---|
蛇口修理、交換 | 5,000~20,000円 |
配管修理、交換 | 5,000~20,000円 |
床下処理
必要な道具や防護アイテム | 10,000~20,000円 |
---|---|
家庭用排水ポンプ | 10,000円~ |
扇風機やサーキュレーター | 2,000円~ |
消毒剤 | 2,000円/20kg |
水漏れの修理に必要な部品の準備や修理作業ができるのであれば、水道業者に支払う作業費をカットすることはできます。水漏れ箇所の原因を特定して自分自身で修理できる場合は上記の費用よりも抑えて対処することが可能です。また、床下浸水の処理にかかる費用も状況によって異なります。
今回は、水害も起こっていないのに床下が浸水している場合の原因と、その特定ステップをみてきました。
床下浸水が起こる原因は次の3つが考えられます。
床下浸水が発生している箇所を特定する3ステップは
でした。
床下浸水を放置すると住宅の基礎が持つ本来の機能が失われ、ちょっとした地震の揺れや台風などの強風によって住宅が崩壊する懸念があります。
さらに、害虫やカビによる健康被害が発生する可能性もあります。
自力で対処できないときには、速やかに住宅メーカーや、特殊清掃業者などのプロに対処を依頼しましょう。