最近「オゾン脱臭機がよい」とよく聞きます。
先日も家電量販店に行くとオゾン脱臭機コーナーがありました。
そんなに効果があるのですか?
オゾン脱臭機は脱臭に大きな効果を発揮します。
今回は、オゾン脱臭機の脱臭のしくみや、選ぶときのポイントについてみていきましょう。
もくじ
オゾン脱臭機は、強力な酸化作用をもつ「オゾン」を発生させることで、部屋の中に漂うニオイを脱臭します。
仕組みは、次の図のとおりです。
オゾンとは酸素原子(O)が3つくっついた物質です。
そもそもオゾン(O3)は非常に不安定で、ニオイの原因となる物質が近くにあると、上の図のように、酸素(O2)と酸素原子(O)に分離します。
酸素原子(O)は、ほかの物質と結合することで安定する性質を持っているため、ニオイの原因となる物質と結合して安定します。
そしてニオイの原因物質を酸化させ、ほかの物質に変化・分解させて、ニオイをなくします。
これがオゾン脱臭のしくみです。
ちなみに、オゾンはニオイの原因となる物質を酸化させて消滅させた後は、空気中に残りません。
オゾン脱臭機は、どんなニオイに対して効果があるのか、具体例をみてみましょう。
効果のあるニオイの共通点は、有機質に関係して発生したニオイです。
オゾン脱臭機は有機質のニオイと酸化反応し、分解して脱臭するからです。
実際に「生ゴミ処理場で強いニオイを発する生ゴミ臭を87%カットできた」「食品加工工場での食品の強いニオイを88%カット」「弁当調理店での食品の強いニオイを90%カットした」という結果が出ており、オゾンが「有機質」の強力なニオイを酸化させて分解し、圧倒的な脱臭効果を発揮することがわかっています。
出典:環境省環境管理局大気生活環境室「ひと目でわかる『脱臭装置選択ガイド』2004年版」
ここまでオゾン脱臭機の効果をお伝えしました。
オゾン脱臭機はいいことばかりのようにみえますが、利用するときに注意点はないのでしょうか。
注意点は
の2点があります。それぞれみてみましょう。
前項で「オゾン脱臭機は有機質のニオイと酸化反応する」とお伝えしました。
言い換えると有機質由来ではないニオイは脱臭できません。
有機質由来ではないニオイとは「化学物質由来」のニオイです。
化学物質由来のニオイは酸化しにくいため、脱臭効果が発揮されません。
化学物質由来のニオイの例を挙げます。
オゾン脱臭機が発生させるオゾンは、高濃度になると目や鼻腔、喉の刺激になるなど、人体に悪影響をおよぼす可能性があります。
実際に「2020年度版許容濃度等の勧告(日本産業衛生学会)」では、オゾンに関する作業環境(※)での許容濃度を0.1ppm以下に定めています。利用するときには、濃度管理に気をつけましょう。
オゾン脱臭機からオゾンを発生させている最中は、できるだけ無人空間で使用をすると安全にオゾン脱臭機を利用することができます。
※「作業環境での許容濃度」
労働者が1日8時間、1週間40時間程度の肉体的に激しくない労働で有害物質にさらされる場合、その有害物質の平均濃度がこの数値以下であれば、ほぼすべての労働者に健康上悪い影響は見られないだろうと判断される濃度のこと。
オゾン脱臭機を選ぶときには、2つのポイントがあります。
これらのポイントを知っておくことで、最適で安全な製品を選べるようになります。
1つめのポイントは「使いたい部屋の面積と適用床面積の合う機種を選ぶ」ことです。
製品が対応する床面積より狭い部屋でオゾン脱臭機を使用した場合、オゾンの濃度を基準よりも高めてしまいます。一方、製品が対応する床面積よりも広い部屋でオゾン脱臭機を使用した場合、オゾンの濃度が基準よりも低すぎて、効果を得られない可能性があります。
したがって、使いたい部屋の面積と適用床面積の合う機種を選びましょう。製品のスペック表に「適用床面積」もしくは「適用畳数」が記載されているので、使いたい部屋の広さと合っているか確認してください。
2つめのポイントは「使う場所に合わせて電源供給方式を選ぶ」ことです。
オゾン脱臭機は、「コンセント」「USB」「MicroUSBポート」「充電」など、さまざまな方式で電源を供給します。
たとえば、玄関・トイレ・リビングにはコンセントがあるからプラグタイプ、外出先ではUSBやMicroUSBのポートから給電するタイプ、冷蔵庫やクローゼット、靴箱の中は供給電源の確保が難しいので充電タイプなど、使用する場所に合わせて、電源供給方式を選ぶようにするとよいでしょう。
この記事ではオゾン脱臭機の効果や選び方などをご紹介しました。
オゾン脱臭機は有機質由来のニオイの脱臭に強力な効果を発揮する反面、使い方を間違えてオゾン濃度が高くなりすぎると人体に悪影響を及ぼすことがわかりました。
また、すべてのニオイに効果があるわけではありません。
オゾン脱臭機で脱臭できないニオイは消臭のプロである特掃隊にご相談ください。