掃除をしても壁に付いた臭いってなかなか取れないんです。
壁の臭い取りと一口にいっても、臭いの原因によって対処法が大きく異なります。
今回は、場所や原因に応じた対応をみていきましょう。
もくじ
壁の臭いはそれぞれ原因が異なっており、まとめると下の表のようになります。
基本的には、臭いや汚れのある場所に消臭剤をスプレーして拭いていきますが、動物の死骸や
家の建材が原因による臭いの場合は、個人で対応するのは難しいため、業者に依頼することになります。
原因 | 対処法 |
---|---|
尿はね | アンモニア消臭剤を使って拭き掃除をする。 |
タバコのヤニ | アルカリ性のヤニ汚れクリーナーを使って拭き掃除をする。 |
カビ | カビ取り剤を使って拭き掃除をする。 |
油 | 油落としクリーナーを使って拭き掃除をする。 |
ペットのエサや排泄物 | ペット用の消臭剤を使う。 |
ネズミの尿や死骸 | 尿は漂白剤で拭き掃除をする。死骸は業者に駆除を依頼する。 |
家の建材(材質) | 業者に依頼する。 |
では、それぞれの掃除方法を詳しくみていきましょう。
尿の成分はアルカリ性のため、トイレで用を足す際に尿がはねると壁がアンモニア臭く
なることがあります。
尿がはねているのは主に便座の両脇の壁です。
腰の高さくらいまで掃除することをお勧めしますが、とくに汚れやすい下の方を念入りに
掃除してください。
次の順番でおこなっていきましょう。
きれいに掃除してもなんとなく嫌なにおいが残る場合は、便座や床の掃除が終わったあとに、
トイレの天井に向けて消臭スプレーをまくと良いでしょう。
アンモニアは空気より軽いので、天井の方に溜まる習性があるからです。
そして換気扇を回すことで、消臭しきれず残ったアンモニアも外へ出て行きます。
ヤニのもととなるタールは粘着性の油性物質のため、アルカリ性の洗剤で掃除をすると
汚れがよく落ちます。
タバコのヤニは天井にも付着します。
天井部分には手が届かないため、クイックルワイパーなどのモップにスプレーを染み込ませた雑巾を
つけておこないましょう。
液だれもせず、一度に広範囲を掃除できるので効率的です。
タバコの場合、煙が漂ってヤニ汚れが部屋全体に広がってしまうため、喫煙場所の近くだけではなく、
部屋全体にクリーナーを使う必要があります。
クリーナーに含まれる物質は、赤ちゃんやペットなどに良くない影響を与えることもあります。
影響が気になる場合は、市販品クリーナーの使用を控えたほうが良いでしょう。
カビはタンパク質を含んでおり、拭いただけでは落ちません。
カビ取り専用スプレーを使いましょう。
市販品のカビ取りスプレーは漂白効果が強く、壁紙の色が落ちてしまったり、壁紙がシワシワに
なってしまうこともあります。
こういったトラブルを避けるために、市販品のカビ取り剤を使う場合は、必ず壁紙専用の物を選びましょう。
また、カビ取り剤は鼻やのどなど呼吸器に良くない影響を与える場合もあります。使用方法をよく読んで、
書かれている通りに使ってください。
カビは湿った場所を好みます。
掃除の後はスプレーの水分を雑巾で拭き取り、窓を開けるなどして換気をしましょう。
普段から部屋の換気を習慣づけておくと、カビ予防になります。
キッチンの壁紙には、料理の最中に油がはねて汚れが付着します。
また、頻繁に手で触れる電気スイッチの周りは皮脂汚れが目立ちます。
このような汚れからくる壁の臭いには、油落としクリーナーを使うと消臭しやすくなります。
上の方法でほとんどの油汚れはキレイになり臭いもなくなりますが、どうしても取れない汚れは
消しゴムでこすってみましょう。
多くの場合これですっかりキレイになり臭いも落とせます。
ペットの排泄物や、置きっぱなしにしたエサから発生した雑菌が原因で壁紙が臭う場合は、
たとえペットがなめてしまっても問題ない消臭スプレーを使いましょう。
スプレーの効果はスプレー直後よりも半日後、1日後とじわじわと出てきます。
そのため、水で濡らしたりふき取ったりはしないようにしてください。
一度スプレーすると1〜2週間ほど効果が持続するため、次回以降は1〜2週間経ってから
使うようにしましょう。
ネズミの尿が原因で天井や床下、壁紙などから漂ってくる臭いを取る場合は漂白剤を使って
消臭しますが、サルモネラ菌などの有害な菌が混じっていることがあるため、注意が必要です。
尿の臭いがそれほど強くない場合は、次のように掃除をします。
ネズミの尿には有害な菌が含まれていますので、必ず手袋を使って作業をしてください。
そして、使用後の手袋は忘れずに処分しましょう。
ネズミの尿の臭いが強かったり死骸から悪臭が漂っている場合は、できるだけ早めに業者に
清掃を依頼してください。
糞尿や死骸を放置しておくと、害虫が発生したり家の建材を腐らせる可能性があるからです。
壁裏の材質が原因で壁に臭いが発生してしまう場合は、 残念ながら個人では対応しようがありません。
いくら壁の表面の掃除をしても臭いが取れることはありませんので、早めに専門業者に調査を依頼
しましょう。
壁裏の材質といっても、 外壁や化粧ボードなど原因はさまざまです。
専門業者では臭気判定士が専用機材を用いて原因を特定し、適切な対応をおこないます。
臭いを放置しておくとアレルギー症状を引き起こす可能性もあるので、早めに業者に依頼することが
大切です。
ここまでケース別に壁の臭い取り方法をみてきましたが、どのケースでも気をつけるべき注意点が
4つあります。
効果的に壁の臭いを取るために、以下の点に気をつけて掃除をおこないましょう。
スプレーや洗剤を壁に吹き付けると、壁から垂れて床に落ちてしまうことがあります。
漂白剤などが床に落ちると、床の色が変わってしまう場合もありますので、作業開始前に床に
ビニールシートや新聞紙を敷いておきましょう。
汚れや臭いの範囲が広い場合、一度に掃除を済ませてしまいたくなりますが、広範囲に一気に
スプレーをすると液だれによるシミが起こってしまいます。
拭き取りをしないうちに垂れた液が壁紙に染み込んでしまうと逆効果です。必ず掃除の範囲を
手が届く範囲などと区切って、少しずつおこなってください。
壁紙のつなぎ目をゴシゴシこすると、壁紙がよれたり破れたりしてしまいます。
また、つなぎ目にスプレーをかけると、壁紙が剥がれてしまいます。
つなぎ目をこすったりスプレーをかけたりせずに、慎重に掃除しましょう。
土壁や布製の壁紙は水分を吸収するため、濡れた雑巾で拭いたり、液体をスプレーすることはできません。
ビニールクロスであれば問題ありませんが、濡れてもよい壁紙かどうか不安な場合は、手に少し
水を取って壁につけてみましょう。
水を弾くタイプであれば問題ありません。
市販のスプレーを購入する場合は、必ず壁紙専用のものを使ってください。
小さな子どもがいたりペットを飼っている、アレルギーがあるなどの場合、漂白剤など有害な
物質を含む消臭アイテムを使用するのは抵抗がある方もいるかもしれません。
そのような場合は、重曹やクエン酸を用いて身体に優しい手作りの消臭・掃除スプレーを作る
こともできます。
重曹は消臭効果や油汚れを落とすのが得意なので、キッチンの油汚れを落としたり、トイレで
消臭スプレーとして使うこともできます。
クエン酸はアンモニア臭に強いので、トイレの壁や床掃除用に使うとよいでしょう。
【用意するもの】
水に重曹を入れたらよく振って混ぜましょう。これだけで重曹スプレーの完成です!
重曹をクエン酸に変えればクエン酸スプレーになります。クエン酸も100円ショップで購入できます。
今回は壁についた臭いの原因と掃除方法をみてきました。
壁の臭いの原因には
などがあり、原因によって掃除方法も異なります。
有害な物質を含む消臭アイテムを使用したくない場合は、
重曹やクエン酸の手作りスプレーを使うのもおススメです。
予防としてこまめに掃除をしたり、脱臭機や空気清浄機を使ったり、
消臭効果のある壁紙に張り替えたりするのもいいでしょう。